わかる!再生医療入門

再生医療を受けたい! 信頼できる医療機関の選び方と安全性の見極め方

Tags: 再生医療, 医療機関, 選び方, 安全性, 再生医療等安全確保法

再生医療への関心が高まり、ご自身やご家族のために治療を検討される方も増えているかもしれません。しかし、「どこで再生医療を受けられるのだろう?」「どんな医療機関を選べば安全なの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このページでは、再生医療を受けられる医療機関について、その探し方や信頼できる医療機関を見極めるためのポイントを、分かりやすく解説いたします。

再生医療はどこで受けられる?

再生医療は、どんな医療機関でも受けられるというわけではありません。私たちの体の細胞や組織を使うため、安全性と有効性をしっかりと確認する必要があります。そのため、日本では「再生医療等安全確保法」という法律に基づいて、再生医療の提供に関するルールが定められています。

この法律のもと、再生医療を提供しようとする医療機関は、あらかじめ国に届け出たり、特定の認定委員会で治療計画が承認されたりする必要があります。

具体的には、以下のようなステップを経る必要があります。

  1. 医療機関が提供したい再生医療の内容(どんな細胞をどう使うか、対象となる病気は何かなど)を含む「再生医療等提供計画」を作成する。
  2. その計画を、国の基準を満たした専門家で構成される「特定認定再生医療等委員会」の審査を受ける。この委員会は、治療の科学的な妥当性や安全性を評価します。
  3. 委員会の承認を得た計画を、厚生労働大臣に届け出る(または一部の場合は認定を受ける)。

これらの手続きを経た医療機関だけが、適法に再生医療を提供することができます。つまり、再生医療を受けられるのは、この法律に基づいた適切な手続きを行っている医療機関ということになります。

信頼できる医療機関の選び方

では、実際に再生医療を受けたいと考えたときに、どのように医療機関を選べば良いのでしょうか。いくつか重要なポイントがあります。

1. 国の法律に基づいた手続きを確認する

最も基本的な点は、その医療機関が再生医療等安全確保法に基づいた適切な手続き(届け出や計画の承認)を行っているかどうかです。医療機関のウェブサイトや説明資料などで、提供する再生医療がどのような計画に基づいているのか、委員会の承認を得ているかなどを確認しましょう。これらの情報は、厚生労働省のウェブサイトなどでも公開されています。

2. 十分な説明があるか

医師やスタッフから、治療の内容、期待できる効果、起こりうるリスク(副作用など)、治療期間、費用について、丁寧で分かりやすい説明があるかどうかも非常に重要です。疑問点に対して誠実に答えてくれるか、不明瞭な点をごまかさないかなど、信頼できる対応であるかを見極めましょう。

特に、再生医療はまだ研究段階のものが多く、全ての治療で確実な効果が得られるわけではありません。効果の不確実性やリスクについても正直に説明してくれる医療機関を選ぶことが大切です。

3. 過剰な広告や効果の保証に注意する

「必ず病気が治る」「夢の治療法」といった、効果を過剰に強調したり、効果を保証したりするような広告や説明には注意が必要です。科学的な根拠に基づかず、患者さんの不安を煽るような表現をする医療機関は、信頼性が低い可能性があります。冷静に情報を判断するようにしましょう。

4. 費用の説明が明確か

再生医療は自由診療となる場合が多く、費用が高額になることがあります。治療にかかる費用の総額、内訳、支払い時期などについて、契約前に明確な説明があるか確認しましょう。後から不明な費用を請求されることがないよう、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

安全な治療を見極めるための注意点

残念ながら、中には国の承認や届け出を行わずに再生医療をうたったり、科学的根拠に乏しい治療を提供したりするケースも存在すると言われています。安全な治療を受けるためには、以下の点に注意してください。

まとめ

再生医療は、病気や怪我で失われた組織や機能の回復を目指す、大きな可能性を秘めた分野です。しかし、まだ発展途上の技術も多く、安全で有効な治療を選ぶためには、医療機関を慎重に選ぶ必要があります。

今回ご紹介したポイントを参考に、再生医療等安全確保法に基づいた適切な手続きを行っているか、丁寧で誠実な説明があるかなどをしっかりと確認し、信頼できる医療機関で安全な再生医療を受けていただきたいと思います。ご自身の状況に合った最適な治療法を見つけるために、正確な情報を得ることから始めてみましょう。